テクニカル分析

FX順張りトレードの「押し目買い」「戻り売り」注意点!

FXテクニカル

「順張りトレード」を行う場合の最も基本的な戦略は、

  • 上昇の「押し目」で買う
  • 下落の「戻り目」で売る

です。

「順張りトレード」自体、優位性が高い手法であり、

基本戦略の「押し目買い」「戻り売り」は、順張りトレードの中で、最も精度が高い手法でしょう。

一度トレンドが発生した場合、転換するまでは積極的にその方向に仕掛けていくだけで、高勝率のトレードは実現可能です。

「押し目買い」または、「戻り売り」を基本戦略にしているトレーダーは、世界中にあふれています。

しかし、順張りトレードをしてもなかなか勝てない、という方が、意外と多いようです。

今回の記事では、順張りトレードの注意点として、

「リスクリワード」の考え方、「エントリしてよい場合、だめな場合」を、具体的な図を使って説明していきます。

特に、「手法や売買の方向は合っているのに、トータルで勝てない」というパターンの方は、この記事に書かれていることを守れているか、普段行なっているトレードを、一度見直してみてください。

リスクリワードを1:1以上にする

「順張りトレード」は戦略として間違った方向ではありません。

実際に私も、順張りトレードは得意です。

しかし、注意しなければならないのは、

「リスクリワードを1:1以上にする」

ということです。

リスクが「1」に対して、利益が「1以下」だと、「利益に見合わないトレード」になってしまいます。

ビジネスの場合、経営者は、

「採算が取れない事業(投資額より利益見込額が低い)」=「投資に値しない」

と考え、その投資案は、かならず、却下します。

しかし、FXやトレードの世界では、毎日のように機会損失(やっとけばよかった)にさらされています。

「あの時エントリーしておけば〇〇万円勝てたのに…」という経験を、何度かするうちに、いつのまにか「利益に見合わないトレード」をしてしまいがちです。

しかし、

私たちトレーダーも、経営者と同じように、1回のトレードを投資と考え、

その投資案を採用すべきか、却下すべきか、毎回考える必要があります。

つまり、

どれだけ「おいしい」と思える場面であっても、リスクリワードが1:1以上になっていなければ、エントリーすべきではないです。

これは勝てる!と思っても、リスクリワードが合わないトレードを繰り返せば、トータルでマイナスになるのは必然です。

逆に、リスク1に対して、リワード(利益)2であれば、勝率が50%でも安定して勝てます。

以下からは、「エントリしてよい場合・だめな場合」を、具体的にみていきましょう。

エントリしてよい場合・だめな場合

例えば、

  • エリオット波動の第1波の押し目買い
  • 直近の高値で利益確定
  • 1波の起点を割ったら損切

という戦略を立てたとします。

戦略自体には何も問題はありませんし、優位性が高い手法です。

ただし、
この戦略をとるうえで注意しなければならないのは、

半値戻し(50%戻し)の段階までは、どれだけ「おいしい」と思えてもエントリーすべきではないということです。

以下から図を使って説明していきます。

【戦略:エリオット波動1波の押し目買い】

上図のとおり、エリオット波動「第1波」が発生したと仮定し、「第2波」の調整場面で買いを仕掛ける戦略です。

ただし、直近高値で止められる可能性を考慮し、そこを利確目標としています。

非常に手堅い戦略かと思います。

しかし、

この戦略は、エントリーの場所を間違えると、失敗トレードです。(たとえ勝ったとしても、失敗トレードと考えて下さい)

以下の図を見て、リスクリワードを確認してみます。

【リスクリワード】

上の図は、第1波に「フィボナッチ・リトレースメント」を描写しています。(フィボナッチリトレースメントを描写できるツールはこちら

第1波を100%とした場合、どれだけ戻したかがわかります。


直近の高値を利益目標とすると、

押し目買いで、リスクリワードが1:1以上になるのは、「50%」よりも価格が下がった場合のみです。

理想的には、リスク 1 に対して、リワード 1.6 の「61.8%」戻しまで待ちたいところです。

どれだけ「おいしい」と思う場面であっても、直近高値を利益目標としている場合、最低50%まで戻らない限り、エントリーできないはずです。

なぜなら、リスクの方がリワード(利益)より大きいからです。

たしかに、50%のラインまで押し目を付けず、そのまま上昇していくことは多いです。

しかし、そこはトレードできないところと割り切ってしまわないと、安定して勝てるようにはなりません

このように、手法と目線がいくら正しくても、いつのまにかリスクのほうが大きいトレードを採用してしまう場合があります。

勝率が100%というのは、あり得ないので、リスクのほうが大きいトレードを繰り返せば、いずれ破産します。

「機会損失」より「回避利益」と考える

何度か自分の想定どおり価格が動き、「エントリしておけば○○円勝てたのに」という経験をすると、機会損失(損した気分)のような気がしてしまうものです。

そして、今度こそは!といって、

「利益に見合わないリスク」をとってしまいます。(リスクリワード1:1以下)

ですが、

長い目で見ると、リスクリワードを崩すのは、機会損失どころか実現損失に直結します。

手法は正しくても、エントリータイミングが間違っていると、

目先の利益は出ても、長期的には破産の道をたどります。

「機会損失」ではなく、「回避利益」と考えてください。(回避できれば、利益≒経験を得られます)

補足説明

先ほどの例では、

  • 直近の高値で利益確定
  • エリオット波動第1波の起点で損切

という戦略でした。

しかし、優位性が高いパターンが発生した場合、損切の位置を近くすることで、リスクリワードを保つことができます。

先ほどのパターンでは、調整がレンジに近い形となっていましたが、

ダブルボトムに近い形が発生しているため、買い圧力が強いパターンと認識できます。

こういったパターンの場合、損切位置を、直近の安値に設定してリスクリワードをあげることが可能です。(私がエントリと利確をしたのも上図のとおりです)

もちろん、優位性が高いパターンが発生しているのが絶対条件で、自分の勝手な都合で損切を近くに設定しても意味はありません

優位性が高いパターンの発生と、(今回は61.8%で2度買いが入っている+マルチタイムフレーム分析)勝率とリスクリワードを合わせて、「投資に値する」と考えれば、積極的にエントリしていけます。

【マルチタイムフレーム分析については以下の記事へ】

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